検定情報ブログ

2016年12月21日

日本語教師養成講座なら働きながら資格取得を目指せます。

≪日本語教師養成講座は行かなければならない?≫

 

日本語教師養成講座は、日本語を母語としない人に日本語を教えるための技術や知識を学ぶ場です。様々な経験、スキルを持った様々な人たちが、日本語教師になることを目標に、日本語教師養成講座に通っています。

そもそも日本語教師になるにはどんな資格が必要なのでしょうか。日本語教師になりたいと思ったことのある方でしたら、すでにお調べになったかもしれません。

国内外の日本語学校の講師募集要件を見てみると、多くが①大学、大学院で日本語教育を主専攻または副専攻した方、②大学卒で日本語教師養成講座(420時間)を修了した方、③日本語教育能力検定試験に合格した方、のいずれかとしてあります。

「いずれか」ということは、日本語教師養成講座に通うことは、日本語教師になるための必須要件ではないのです。

全く日本語教育関係のものを学んだことがない人が、日本語教師を目指すとします。

今から大学で4年間かけて日本語教育を専攻するのは、時間的、経済的にも最もハードルが高いです。

次に日本語教師養成講座に通うのは約半年~1年、費用は50万円前後が相場です。

それなら、自分で勉強して受験料16,000円の日本語教育能力検定試験に合格する方が、ずいぶんリーズナブルではないでしょうか。

しかし、やはり日本語教師養成講座を受講するということにはそれだけの価値があるのです。

 

≪日本語教師養成講座(通学)のコース内容≫

 

日本語教師養成講座で学ぶメリットについてお話する前に、まず、通学制の講座のコース内容をニューヨークアカデミーのカリキュラムを例にご紹介します。

区分 科目 科目概要 単位数
日本語の仕組み 文法 品詞分類・各品詞の詳細・敬語・節・自他動詞・授受・テンス・アスペクト・日本語教育文法・条件表現・受身・使役・ムードなどを分析し、初級文型全般を学ぶ。国文法にも日本語教育文法にも強くなる。 40
音声 現場での音声指導を紹介され、体験できる。その必要な知識として、発音の仕組み(母音・子音の調音点・調音法、有声音・無声音、高低アクセント・イントネーション・プロミネンス、拍と音節など)を学ぶ。 32
語彙・表記 語彙では、語種・語構成・音韻現象、表記では、現場での文字指導方法を扱い、日本語学習者に教えるのに必要な模範となる日本語=現代仮名遣い、日本語史を学ぶ。 24
社会言語学
対照言語学
社会言語学では、性・年齢・職業などによる語の使われ方、地域別の方言学、各国の言語政策、言語接触などを学ぶ。対照言語学では、様々な観点から外国語習得に役立つ日本語と諸外国語との比較を学ぶ。 24
言語学 音韻論(音素)、形態論(語の区別)、統語論(語の並び)、意味論(慣用句・対義語・比喩など)、語用論(実際の会話上でのずれやゆれの原因・協調の原理・発話行為など)を、現場の日本語教育に絡めて学ぶ。 20
日本語教育の環境 日本語教育事情 国内外の日本語教育、年少者・外国人労働者・留学生、ビザなどの状況、日本語教育のフィールドの広さ、日本語教師に何ができるかか、何をするべきか、公的日本語試験の紹介、日本語教育史などを学ぶ。 24
異文化理解
心理
日本語学習者が抱える問題の分析と、その問題を解消できるよう、日本語教師としてできるスキルを身につける。脳の仕組みや心理カウンセリングのテクニック、学生への対応など、日本語教師自身の悩み解消術なども学ぶ。 24
教え方の理論 教授法理論 様々な外国語教授法の紹介、その基となっている理論(構造言語学・行動心理学・ストラテジー・誤用分析・状況論的学習論・クラッシェンの仮説・生成文法・言語習得・バイリンガルなど)を学ぶ。 32
初級指導法 初級実習、中上級実習への準備期間。教案・教材作成や、デモンストレーションとして受講生同士で教えあい、授業準備の楽しさと大切さ、準備の努力が必ず本番に結びつくことが実感できる。 76
中上級指導法 60
教え方の実践 評価法 現場で使われる様々な試験にとどまらず、授業内で小テストを見たり、分析・採点したりなどが体験できる。いい試験が作れるようになる。試験・問題が、学習者が成長するためのツールであることを認識できるようになる。 24
初級実習 外国人日本語学習者を教室に招き、日本語の授業を行う。民間の日本語学校など就職の際必ずと言ってもいいくらい必要な模擬授業の対策にもなり、まさに上記全ての科目で学び「わかった」ことが「教えられる」ようになる。きめ細かいふり返りを行う。実習で得た「教えることの楽しさと難しさ」がより成長への糧、やりがいとなる。 20
中上級実習 20
修了単位数1 420

 

日本語教師養成講座420時間コースとは、文化庁が示した「日本語教師養成のための標準的な教育内容」方針に沿った講座です。知識として学ぶ座学系の授業と、教壇に立つことをイメージして行われる実践系の授業が組み合わさって、約半年~1年で420時間を修了できるようにカリキュラムが組まれています。

実践系の授業のクライマックスは、初級と中上級で一回ずつ予定されている実習の授業です。近隣の学校で勉強している留学生を相手に、実際に教師として教壇に立ちます。この経験こそが、独学や通信講座ではなかなかできない、大きなメリットといえるでしょう。

 

 

 

≪日本語教師養成講座に通う理由≫

 

意外と通える!?

養成講座に通う人の中には日中働きながら通っている人も多くいます。夕方まで仕事をしている方が間に合うよう、平日夜開講、土日開講の学校もあります。当校でも夜、土曜、さらに日曜のみのコースも新開講予定です。ご自身のライフスタイルに合わせて無理なく通うことができます。

 

いつでも質問できる

日本語教育は奥が深く、少し勉強すると、様々な疑問や好奇心が湧いてきます。そんな時、直接質問することができる講師がいることは、理解を深めるうえで大きく役立ちます。

 

百聞は一見に如かず

教師は頭だけを使うのではなく、教壇に立ち、声や体を使わなければなりません。日本語教師養成講座の講師は、日本語学校などの現場での経験を持っている方がほとんどで、そういった立居振舞は、実習系だけでなく、座学系の講座でも多くを見て学ぶことができます。

実際に日本語学校に就職してからでは、自分の授業やその準備で忙しく、思ったほど他の先生の授業を見学することはできません。

 

実習の経験

いくら勉強しても、立ち居振る舞いを練習しても、本番の経験には敵いません。実際の学習者を前に、自分で考えた方法で日本語を習得させることができるのか、どんなトラブルが発生しうるのか、成功することだけが全てではなく、本番ならではの失敗からも多く学ぶことができます。

 

さまざまな受講生との出会い

養成講座には、年齢、経歴、経験ともにさまざまな人が集まります。今まで出会うことのなかった人と出会うことで新たな世界を知ったり、新たな自分に気づいたり。

また、受講生は日本語教師という同じ目標を持って自ら学びに来ている、同志でもあります。修了までの道のりは楽ではありませんが、仲間がいることでの心強さや、学ぶ上での気づきは、一人で学んだ時の何倍にもなります。また、日本語教師として就職した後は、同期の日本語教師仲間がいるということは大きな心の支えになります。

 

 

ありとあらゆる経験が日本語教師としての糧になります。日本語教師養成講座は、さらに新たな出会いや知識を、経験や体験として学ぶことができる場なのです。