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2017年8月22日

授業中の私語、学生だけが悪いの?

こんにちは。日本語教師の平尾です。
NILSでは毎回の授業後に反省会を行っています。反省会では授業中に起こった問題や学生の様子を報告したり、教え方について話し合ったりします。いろんな報告がありますが、今日は「授業中の私語」についてお話しします。

授業中の私語、どんな気持ちになりますか。
 -授業がスムーズに進められない
 -イライラする
 -不快に感じる などなど。

教師だけでなく、同じ教室で勉強している学生も
 -先生の話を聞きたいのに、うるさくてよく聞き取れない
 -落ち着いて勉強できない

など不快に思っています。頑張って勉強しようと思っていても、私語で勉強を邪魔され、学習意欲を失う学生もいます。
私語をする学生に対して、(大きい声で)「静かにしてください。」、「きちんと聞きなさい」、「聞かないと、勉強がわからなくなります。」などと注意することは少なくないと思います。実際、私もこのように注意をすることがあります。この対応で静かになるかもしれません。でも、私語をしていなかった学生はどう感じるでしょうか。「静かになった、よかった」と思う学生だけでしょうか。私語をしていないのに、叱られた気分になり、嫌な気持ちになる学生もいると思います。また、このような対応から授業中のクラス全体の雰囲気が悪くなることもあります。

 -母語や日本語で隣の人とこそこそ話している
 -授業がスムーズに進められないくらいざわつく

など授業中の私語にはいろいろなものがあります。確かに私語をする学生は他の学生の勉強の邪魔をしているのでよくないと思いますが、私語をする学生だけが悪いのでしょうか。私語をする学生には

 -先生が言っていることが理解できなかった、先生の言葉が聞き取れなかったから、他の学生に確認したい
 -他の学生の発言に対する意見を言いたい
 -自分の知っていることを伝えたい
 -授業が面白くない

など私語をする様々な理由や原因があります。
先生が言っていることがわからない」ことが理由なら、わかりやすい授業をする。「聞き取れない」なら、「聞き取りやすく話す」。「意見を言いたい」なら、「話したいことがあったら、(何か意見があったら、)言ってください。」と、その発言を拾って、授業に活かす。「授業が面白くない」なら、つまらないと感じさせないように授業を工夫するなど、学生だけの問題ではなく、指導している教師に原因があることも少なくないのかもしれません。

教室にはいろんな国の学生がいますので、学生への対応って、本当に難しいなと思うことが多々ありますが、みんなが楽しく勉強できる環境づくりというのも日本語教師として常に意識しなければなりませんね。