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2017年8月29日

やりがい

こんにちは。日本語教師の薄です。

「あなたはどれくらい日本にいるつもりですか?」

学生に問いかけるとどれくらいと答えると思いますか?1年でしょうか。2年でしょうか。
多くの学生は「進学した後、日本で2,3年働いて技術や知識を学んで国へ帰るつもりです。」と答えます。日本語学校で学習するのが1年半から2年、大学に進学して4年、そこから3年働くとなるとだいたい9年間くらい日本にいる予定になります。

今月、東京に行った際に、NILSを卒業して大学へ進学し3年生になった学生たちに会えたので、同じ質問をしてみました。ちょうど彼らは就職活動をし始めた時期なのでどう考えているのかなと気になったのです。私は彼らの進学指導を行ったので、NILS在学中は多くの学生と同じように答えていたのを覚えています。
さて、今回彼らの答えがどうだったのかというと…

「日本で25年くらい働いて国へ帰ろうと考えています。」

25年!も日本で働くというのです。そんなに長くいるつもりになったのはどうしてか理由を尋ねると

「日本語学校にいた頃はまだ視野が狭かったと思います。とても小さい世界のことしか見えていなかったので、2,3年で何かを身に付けて国に帰れたらいいと思っていました。でも、進学し、日本に長く住んでみると、3年ではとても学べないと思ったし、母国全体を変えることはできなくても、自分の町くらいは変えていきたいという気持ちを持つようになったんです。だから25年くらいは日本にいたいです。」

卒業生はNILSで身に付けた日本語をツールに大学や社会で色んなものを学び視野を広げていました。自分と一緒に練習した日本語が学生の成長やこれから学生の母国の発展に繋がっていくのかと思うと、日本語教師冥利に尽きます。

日本語を勉強してどうするのか、日本語を教えていると色んな人から聞かれる質問です。
語学に興味がある学習者もいます。アニメをもっと理解したいという学習者もいます。日本で進学して就職したいという学習者もいます。それぞれの学習者は日本語が上手になると知識も増え、技術を学べ、それに従って個人の認識も変化していくことを知りました。日本語教師という仕事の魅力は長く続けるとこんなことを実感できます。

日本語教師になり立ての頃は自分の勉強に追われて大変すぎると思っていましたが、続ける事でやりがいが何倍にもなっていく仕事だと感じています。