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2017年6月7日

間違いが多い発音って?

こんにちは。日本語教師の平尾です。
新入生はオリエンテーションが終わり、初級クラスの授業が始まっていますが、初めに「かな」の授業を行います。「かな」授業では発音、文字の書き方の指導を行うのですが、今日は間違いが多い発音についてお話しします。

まず、間違いが多いと思った発音を国ごとに紹介します。その国の学生すべてが同じ間違いをするわけではありませんが、授業をしていると、下記のような間違いがよくあります。

1.ネパール
 (1)し  → 「すぃ」と言う。(Cの音になる。)
 (2)つ  → 「ちゅ」と言う。
 (3)は行 → あ行になる。
 (4)ら行 → 巻き舌になる
 (5)拗音
    ①しゃ、しゅ、しょ → 「し」をCの音で「しゃ」「しゅ」「しょ」と言う。
    ②ひゃ、ひゅ、ひょ → 「や」、「ゆ」、「よ」になる。
     ※「ひ」が正しく発音できないため。
    ③りゃ、りゅ、りょ → 巻き舌になる

2.ベトナム
 (1)さ行
    ①「さ」、「す」、「せ」、「そ」 → 「しゃ」、「しゅ」、「しぇ」、「しょ」と言う。
    ②し → 巻き舌で言う。
 (2)な行 → ら行になる。
 (3)ら行 → 巻き舌で言う。

3.中国
 (1)濁音、清音 → 濁音、清音の違いがわかりづらいのか、濁音と清音を間違えて発音する。
 (2)ら行 → な行

4.欧米
 (1)カタカナ語 → 英語の発音で発音しがち。

調音点・調音法・舌の高さ・声帯振動の有無・口の形などが正しくできていないため、正しい発音ができていないんですねぇ。皆さんは上記のような間違いに直面したとき、どのように指導を行えばいいと思いますか。間違いの原因がわかっていても、それを初級の学生にうまく伝えるのはなかなか難しいものです。
手で舌の位置や形を示したり、ティッシュを使って、息が強く出ているか確認したり、自分の口の形を見せたり、などなど、いろいろな指導方法があります。「あいうえお・・・」の発音が正しくできないと、「つくえ」、「これはほんです。」など単語や文も正しい発音で言えません。正しく言えないと聞き取りづらくなり、コミュニケーションがうまくとれない、恥ずかしい思いをするということにもつながります。

実際に授業に入っている日本語教師の皆さんは発音指導についてはどのくらいの正確さを追求したらよいのか、悩むこともあるのではないでしょうか。授業中にすぐに正しい発音ができるようになる学生もいれば、数回の指導でできるようになる学生もいます。中には、何度繰り返しても、なかなかうまく発音できない学生もいます。だからと言って、正しい発音ができるようになるまで、何度も発音させすぎると面白くないですよね?学習意欲をそいでしまうことにもなりかねません。学生の学習意欲をなくさないように配慮が必要となります。試行錯誤をしながらですが、学生にわかりやすく、そして、学生が正しい発音で話せるようになるための指導を工夫していきたいところです。

何事も最初が肝心ですからねp(^^)q