スタッフブログ

2012年2月17日

習得(暗示的知識)と学習(明示的知識)

日本語教師養成講座担当の矢野です。

日本語教師養成講座の基礎科目では、日本語を客観的にとらえ直すことで、外国人に日本語を教えるための土台となる知識を養います。

「分かって」「分かりました」のような動詞の活用を、私達日本人は誰に教えられたわけでもなく自然に身に付けてきました。「分かりて」「分からました」が間違いだということは直感的に判断します。だから、外国人から「て形(日本語の授業では~てにつなげる連用形をこのように呼んでます)はどうやって作りますか?」と質問されて、的確に答えることが出来る人はあまりいないでしょう。

普通日本人は母語である日本語を感覚的に身につけた暗示的知識として理解しており、学習により規則を理解した明示的知識として身につけていないからです。このままでは効率的に日本語を教えることはできません。再度明示的知識として整理し直す必要があります。これもなかなか大変で面白い学習のひとつ、日本語教師への道です。