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2017年10月2日

年齢が高いことが心配!~実際に働いている人たちの年齢は?~

「年齢が高いんだけど、大丈夫?」これは、受講前によく聞かれる心配事のひとつ。年齢のボーダーラインはあるの?定年は??心配は尽きませんよね。

今回は、日本語教師の年齢分布と定年についてお話しします。

 

<日本語教師の年齢は?>

ここで、実際に日本語教師として働いている人たちの年齢層を見てみましょう。

以下は、平成28年7月1日現在における、国内の日本語学校に所属する日本語教師の年齢構成です。

 

年齢構成別

区分 23歳未満 23~30歳未満 30~40歳未満 40~50歳未満 50~60歳未満 60歳以上 未回答
人数 (35)
29
0.5%
(736)
637
10.7%
(1,352)
1,297
21.9%
(1,530)
1,518
25.6%
(1,359)
1,358
22.9%
(944)
1,075
18.1%
(0)
15
0.3%
(5,956)
5,929
100.0%

※( )内は、平成27年度調査数。

『平成28年度 日本語教育機関実態調査 結果報告』平成29年3月 一般財団法人日本語教育振興協会より抜粋

 

この資料から、比較的高い年齢層の方が日本語学校に所属していることが分かります。一番多い年齢層として挙げられるのが40~50歳未満。また、60歳以上の方も1,000人以上現役の日本語教師として活躍しているようですね。

筆者の日本語教師デビューは、30代前半でした。年齢的には上の方だろうかと心配しながら飛び込んだ日本語学校の現場ですが、年齢順ではかなり下の方で驚いたことを覚えています。職員室には頼りになる人生の先輩方がたくさんいて、仕事でもプライベートでも非常にお世話になりました。

長く現場にいるうち、60代でデビューされる方にもたくさんお会いしました。長く務めた仕事を定年退職して、第二の人生をと考えた結果ここに来た。そう話してくださった方も多かったです。

 

<日本語教師に定年はない>

日本語教師には定年がない。これは、日本語教育業界のひとつの特徴だと思います。60代で日本語教師デビュー。校長先生は70代。こういったことも、国内の日本語学校では少なくありません。

むしろ、年齢を重ねた方を求められる場合もあります。親元を遠く離れて暮らす学習者にとって、両親のように心を寄せて話せる方の存在は、大きな心の支えになるからです。

とは言うものの、求人に年齢制限の文字が見られなくても実際には若い方を求めている、という学校もゼロではないのが現状です。そのため、採用面接をいくつも受け、自分に合った学校を探すというのも一つの方法だと思います。

また、海外の日本語教育機関では、ある程度の年齢制限が敷かれているところも数多く存在します。これは就労ビザ取得に関係しているところでもありますので、注意が必要です。日本語教師として働きたい国が決まっている方は、あらかじめその国の求人情報に目を通し、現状を知っておく必要があるかもしれません。

 

<今までの経験が全て活かせる>

日本語教師に定年がないことは、ここまでのお話でご理解いただけたと思います。教育の世界では、豊富な人生経験が活かせる場面も多々あるのです。

たとえば、大学や専門学校に行きたい学生への指導。企業に勤めていた経験を活かし、入試の面接のための指導をする先生の姿も日本語学校ではよく見かけます。また、日本での就職を目指す学生には、それぞれの先生が経験した業界の現状を伝えたり、就職するまでに身につけておいた方がいい知識や技術について情報を提供したり。そういったところでも、他の業界での就業経験が活かされます。

私は今まで子育てに追われていたから…といった方でも、その経験が役に立つ場があります。学生時代、授業の合間に聞いた先生の雑談が妙に心に残っていたり、ちょっとした息抜きになったりした記憶はありませんか?日本の子育ての仕方やかわいいお子さんとの思い出、そんな話を聞くこともまた、外国人にとっては新鮮で面白いものです。そしてそれは彼らにとって、日本人の考え方や生活に触れる絶好のチャンスになるでしょう。

年齢が高いことが心配?いいえ、興味を持った今こそが実行のチャンスです。ぜひ一歩、勇気を出して踏み出してみてください。この記事が、あなたの背中を押す助けになりますように。