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  3. 勝川浩之の、「日本語教師」とはなんぞや!?

私の履歴書④ -群馬編- 2001年~

さて、海外、韓国での1年の仕事を終えて帰国した先は・・・
出身の大阪ではなく、群馬県でした。
私にとって、海外で生活することはあっても、関東に住むということは、考えたこともなかったので自分自身でも意外な選択でした。
初の関東の暮らしで、やはり驚いたのは、同じ日本だからこそわかる、
。基本的に大阪弁の私は、日本語教師養成講座に通っているときに、NHKのアナウンサーの話しを意味がわからなくてもシャドーイングしたり、共通語(一般には標準語とも言う)を話す好きな俳優さんになりきって普段生活をしたりして、東京アクセントを身につけようとがんばりました。その結果、大阪人だとばれることはまずないんですが、いくらアクセントが共通語でも、「使用語彙」も変える必要があり、これはかなり苦労しました。たとえば、椅子を使う際、引いた状態から戻すときに「椅子をなおしてくださいね」と言うと、「あ、しまった、この表現はこっちでは使わないんだ・・・」とか。
ちなみに「なおす」の意味は、多くの辞書には
①正しいもとの状態にもどす「故障・病気をなおす」
②改める「姿勢をなおす」
③別の状態にする「英語を日本語になおす」
という意味が見られます。
たとえば、日本語学習者がかばんから机の上に書き上げた作文を置いている。
それを日本語教師が「リンさん、それなおしてください」と言うと、修正しろなのか、片付けろなのか、ということですね*^.^*
よく関東の人は、西日本の意味がおかしいという人がいるかもですが、辞書には両方の意味があり、関東では「片付ける」という用法を使っていない、という解釈もできる。
私はどちらが正しいか、優位か、というのではなく、「違うんだ」だけの話だと思うようにしている。昔は、方言コンプレックスからか、日本語教師になるには「ら抜き」なども含め、話す場面でも書く場面でも「共通語」を使用しなければと思い込んでいたときもありましたが。群馬での生活は、まずこういった私自身の日本語の再考という意味でもいい経験となりました。
さて、群馬での日本語教育ですが・・・大きな変化があったのは外国人ビジネスマンへのビジネス日本語授業ですね。群馬でも初めはいわゆる日本語学校の非常勤講師として就職したのですが、自分自身のスキルアップのためにチャレンジしてみました。
どのような就職活動をしたと思いますか?^^
だめもとで、タウンページで外国人労働者がいそうな企業を調べ、片っ端から手紙を送りアピールしました。日本語教師の派遣会社じゃないので、マージンも発生しない、大阪、韓国での経験、大学の専攻が経済・・・など。30社ほどに送りました。
すると・・・1社だけですが「ヒット」が来ました!
太陽誘電という地元では有名な企業。CD-Rを開発した会社です。
太陽誘電では以前から「技能研修生(今の技能実習生)」を受け入れていて、特にフィリピンからの研修生がいたようです。そこで、太陽誘電の社員がその研修生たちに「日本人なんだから日本語話せるし、誰でも国語のような授業したら教えられるんじゃないの?」という発想で教えていたようですが、思うように効果が上がらなかったようです。
そこに、偶然にも(いえ、きっと必然!運命!*^.^*)私からの日本語出張授業のちらしを手に取った担当者さんが私に興味を持ってくださり、即面接、即採用。さらに私が行う日本語授業を担当者が見たいということで、見ていただくことになり、そこで私が日本語を教えている様子を見て、大変衝撃を受けたようです。
その後、担当者にも適度に授業に入ってもらうことにしました。なぜなら、日本語教師じゃない日本人は当然、学習者が初級のうちはどのような日本語をどのように習得しているかわかりません。学習者は私との会話ならけっこうできるんですが、良くも悪くも普通の日本人と初級学習者では満足に会話ができないことが多いです。
日本語教師が書き言葉の教科書どおりに発音している一方で、普通の日本人は話し言葉、方言、易しく言おうとしてタメ口を使ったりする。すると、学習者はタメ口を習っていない状態で、よけいに難しい日本語になってしまう・・・などなど。
ですから、まだ初級の学習者と話すときは、現場の担当者も少し私のような話し方をしてくれれば、会話がある程度できるということを知ってもらうために(今「やさしい日本語」というのが少しずつ浸透しつつありますね)。
もちろん、それでは学習者の成長が遅れることもありますから、普通に話してもらうことも大切です。
太陽誘電では時給も、それまでの日本語学校の倍近くいただけるようになり、逆に言うと、必ず結果を出さなければならないというプレッシャーもより強くなりました。これが私にはよりいい道へと進むことになりました。なんとなく、学生次第で学生の伸びが決まる、そのうち上手になる・・・なんて気持ちもそれまでの私はどこかあったような気がします。
私の学生さんの部署での日本人上司があるとき、ふと私にききました。「この学生たちはいつ、電話応対とか、会議で日本語で意見、とかできるんですか?」と。私は正直、何も答えられなかったのを覚えています。デビューした大阪の日本語学校の主任からは、もちろん私がビギナー教師だったので、私のために言ってくれたと思いますが、「このテキストを1日でOページ進めてくださいね。聴解授業ではこのテキストを使って、ここでテープ(今は、CD、PCで流す音声データですね)を流して、学生に答えさせて、答え合わせをしてください」のようなことしか言われませんでした。
つまり、「どのテキストをいつまでにどうやって終わらせるか」だけでした。当時の私は、恥ずかしい限りですが、それで疑問も持ちませんでした。もちろん、いい授業を目指して、あの手この手の授業をしましたが、この何気なく言われた「この学生はいつOOができるようになる?」という発想はなかったので、これではいけない!と思うようになり、私が作るシラバスに、
1週間後 簡単なビジネス自己紹介ができるようになる
2週間後 名刺交換ができるようになる


6か月後 電話の取次ぎができるようになる
1年後 電話のクレーム対応ができるようになる
など、今では普通の考え方ですが「JFスタンダードのCan-do」のような発想を自分なりに考え、実践するようになりました。すると、学生たちの部署の日本人スタッフも少しは安心してくれましたし、何より、私自身の授業も、達成目標を設けることができて、よりいい授業になっていきました。
このあたりがいわゆる会社経験をせずに日本語教師になった私の弱点だったように思えます。お金をいただくということは必ず結果を出すことです。会社では当然のことです。よって、私が授業する限りはどんな学習者でも必ず結果を出すようになっていきました。

【技能実習生たちと群馬の名産、だるま工場に見学授業】

群馬は、郊外、自然、土地代の安さなどもあり、けっこう外資系の工場などもありました。そこでフランスのタイヤの会社、ミシュランでも日本語教師の募集が出たのを知りました。太陽誘電である程度結果を出した私は、面接もパスし即採用となりました。ここでは1日8時間授業、評判もよくオファーも増え、土日も1日4時間のプライベートレッスンなどもあり、しばらく過去最大の1週間48時間授業という日々もありました。
当然、授業には綿密な準備が必要です。学習者によって・内容によって・やる箇所によっても違いますが、初めて教える項目だとそれが1時間の授業なら、少なくとも倍の2時間、多ければ10時間以上費やすこともあります。なので当時の私の生活は・・・。
さらに出張授業で、時に高速使って1時間半かけて行く工場などもありました。何度、信号待ちで「夢」を見たことか・・・。今、私は自然にサイドブレーキをかける習慣があるんですが、この群馬時代に身に付けたようです・・・。
「今働いているビジネスマンにビジネス日本語を教える」のは、スポンジのように吸収し、すぐ使えるよう会話場面シラバスも時に使ったり、土日は大人の付き合いでよくレジャーに誘われたり、時給も高め、でも普段は家での予習復習に充てる時間はない方々で、必ず結果を出さないと次の更新はないであろうプレッシャーなど、それまでにはない日本語教師生活に新鮮さもあり、スキルを上げることができました。

【ミシュランのフランス人社員と。場所は居酒屋です♪】

この群馬での経験が、のちのインドでのゼロ初級ビジネス日本語クラスでわずか5ヶ月で10名全員の学習者を日本の企業に就職させた経験につながっていくわけで、本当に財産となりました。
残念なのは、のちに4回腰の手術をすることになるので、もっと日本有数の温泉地群馬で温泉めぐりをしておくべきでした・・・*^.^*群馬での約3年間の生活も忘れられないものになりました。
次回は、海外2カ国目のカナダ編です!

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